Shakes’s blog

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ASD

自閉スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder、ASD)という名称は、自閉症という個別の疾患の範囲を包括するために用いられています。以下に、この名称の由来を詳しく解説します。

1. **自閉症(Autism)**: "Autism" という言葉は、1943年にアメリカの精神科医であるレオ・カナーによって導入されました。彼は「自閉症的な障害(Autistic Disturbances)」という用語を提唱し、個体が自分の内部の世界に没頭し、他者とのコミュニケーションや関係構築に困難がある状態を表現しました。

2. **スペクトラム(Spectrum)**: 自閉症は、症状や重症度において非常に幅広いスペクトルを持つことが知られています。一部の人は比較的軽度の症状しか示さず、社会的な相互作用やコミュニケーションにおいて困難を経験することはありますが、他の人は深刻なコミュニケーションや行動の制約を経験します。そのため、自閉症スペクトラムとして認識され、その範囲を包括するために「自閉スペクトラム障害」という用語が用いられています。

3. **障害(Disorder)**: 最後に、「障害」という用語は、この状態が個人の生活や日常機能に影響を与えることを指摘しています。自閉スペクトラム障害は、個人が日常生活で様々な困難や障害に直面する可能性があることを示しています。

このようにして、「自閉スペクトラム障害」という用語は、個々の症例の幅広い特性を捉え、総称的な概念として包括するために使用されています。